2025年11月6日

古地図と稲取の今


 東伊豆町稲取を訪れたのは、去年の6月のことでした。国道135号線は南伊豆町の白浜や知人の陶芸家を訪問するのに何度か通った道でした。しかし、途中この小さな半島の地形や港に気が付かないで来ていました。 ところがイナトリ・アート・フェスへの参加をきっかけに、この一年あまりでどんどん南伊豆町とのかかわりが深くなってきました。ワークショップ、個展の開催。そして今夏、町の風景を描いた作品が出来上がりました。「今昔伊奈等利之図」という作品です。(オフィシャル公開は来年2月のアートフェス2026です。)

この作品は稲取の湊の遠景と天保時代に描かれた「伊豆国高村数」題の地図を組み合わせたものです。

 作品引渡し前の最後の一枚は、割れたタイルを直して完成としました(左)。タイルきれいにくっついた(つもり)・・・。

私の 描画スタイルは描いては焼いて、描いては焼いてをバカの様に繰り返しているのだけなので、タイル一枚を10回焼くというものざ

らです。もうちょっと賢くできないのかよ、とよく思うんですが・・・。 

 お陰でタイルは途中からヒビがバンバン入って割れて出てきます。割れては困るんですが、取り換えるのも難しいので、ひとまずは直そうとします。 ヒビの隙間に水で薄めた透明釉を筆で流し込んで、これを炉内に立てて焼くとうまくしみ込んでくれるようで、さらに今度は冷えてくると自重により隙間が閉じてくれるという仕組みです。 

 左は「今昔伊奈等利之図」の右側に描いた稲取の風景になります。焼く前なので灰色のところは酸化コバルトの顔料の色です。焼くと青くなります。左側に古地図が描かれていますが次回発表します。 割れの原因ですが、夏の暑い時に焼くのと色の濃いところと薄いところの伸縮の違いだと思います。パキッ! 

 この作品のお陰で、くっつけるのが更にうまくなりました笑。

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