"Entrance of the world" は1999年3月に制作した銅版画のタイトルでした。
この作品はエッチングで、ほぼ一日で描き上げた作品です。振り返って考えると、私の子供のころに見ていた風景に、不思議な世界から来た魔人たちが立っている、いつか見た夢のなかに出てくるような光景です。魔人はウルトラマンのようにも見えます。
この作品をeitoeikoの癸生川さんが気に入ってくれ、同名の展覧会をストーンエッチングで再構成することになりました。このミクロコスモスを拡大させよう。その打ち合わせの日が3月11日でした。以来、3ヶ月の制作期間、500個の ストーンに描かれた生き物たちには、ひとつひとつ祈りをこめながら腐食し、色をつけ、魂を吹き込むような作業を続けてきたつもりです。聞こえない声に大切なことを教わりながら作品を作り続けることができたような気がしました。
銅版画 Entrance of the world 1999 も会場に展示されています。
Entrance of the world